まゆびらき日記

虚実ないまぜの日記と小説。

ぽっかり。

大型連休は、マッサージと同じ効果がある気がする。心が柔らかく、ふにゃふにゃになってしまう。

そのまま仕事に行くと、いかに日頃非人間的な生活をしているのかと感じたりもする。毎日毎日、朝早く起きて仕事服に着替えて、通勤して、遅くまで仕事をする。朝と昼の食事も、ゆっくりとはできない。短い時間で、そこにあるものを詰め込む。

人間の体も、本来は動物と同じで、獲物を捕まえる、食べる、寝る、という生きていくための基本的な行動をするようにだけ作られているのではないか。なのに、人は高度に社会化され、お金を稼いだり人の役に立つために、無理して自分の能力を伸ばし、脳の容量ギリギリまでフル活用しながら毎日戦っている。だから無理が出る。なんとなく、そんな気がした。そう思うと「非人間的」という言い方がかえっておかしく思えてくる。じゃあ「人間的な生活」ってなんだろう?それは「動物的生活」とどう違うのか?社会化された動物のより高度な形が人間ならばこちらの生活の方が本来の「人間的生活」なのではないか……なんていうふうに。

とにかく、ふにゃふにゃになった心で、ふにゃふにゃながらに頑張って初日から沢山残業もし、なんとか仕事を終わらせた。連休明け二日目の今日もいつもより早く起きて早く会社に行き、余裕なく仕事を詰め込んだ。

心がふにゃふにゃになってしまったせいか、あまり複雑なことが考えられない。頭の中にぽっかりと、空洞がある感じだ。だから会話していても、どこか上滑りする。話を聞いているようで聞いていない。話したいと思わないので上っ面な言葉になる。人にランチに連れ出してもらったのに、うまくお話できなかった。残念。最後かもしれないのに。どんなふうに振舞ったらよかったんだろう。とりあえず寝不足であるのは確実なので寝たらいいかな。

今日は同僚も上司も体調が悪そうだったのに、うまく声もかけられなかった。駄目だなあと思った。私はそういう上司に愛想を尽かしたというのに。結局のところ、人に興味がないのかもしれない。

寂しいのにうまく振る舞えなくて人から遠ざかってしまう癖や、人との間に見えない薄い膜を張り巡らせるようにして距離を取ってしまう癖をどうにかしたい。仕事ができる、よりも、人懐っこくて可愛がられる、のほうが余程人としての徳は高いのでは、などと思ったりもする。