まゆびらき日記

虚実ないまぜの日記と小説。

2024-01-01から1年間の記事一覧

くるくるの髪と自尊心

写真立ての中の私 実家の本棚にある写真立ての中で、くるくるの髪の女の子が机に座っている。紺の上着に白く丸い襟のシックな服を着て背筋をしゃんと伸ばし、前を見つめている。 小学校入学式の日の私だ。 写真を飾る習慣のなかった実家で、それを飾ったのは…

【小説】暁の陽に溶ける(狐狸夜話①)

ジリリとブザーが鳴り、サヤは食器洗いの手をを止めた。慣れないうちはこれが鳴るたびに驚いていたが、今は嫌いではない。一般的な日本の家庭の、ぴんぽーんという間の抜けた呼び出し音よりも緊張感があっていい。 家事代行会社のロゴが白く胸に染め抜かれた…

【小説】あなたの道連れ

「人魚っていると思う?」と先輩は言った。 私はお猪口を挟んでいる先輩の白魚のような指の美しさに見惚れていたから、一瞬返事が遅れた。「先輩がいるって言うなら、いると思う」 そう答えると先輩は楽しげに笑った。その綺麗な笑顔にぼうっとなりながら、…

20240804 夏の散歩と犬猫の記憶

真夏といえども夕方になれば随分と涼しい。7月の方が湿度が高かったせいか朝から晩まで暑かったように感じる。空気が薄青く染まる中をぽたぽたと歩いた。とにかくなんでもいいからクリームが食べたくてコンビニに向かっていたのだがいつのまにか老猫氏と共に…

20240727 桃狂いの夏

朝から猫のトイレを洗って砂をすっかり入れ替えた。夏はどうしても匂いが強くなるので時々洗う必要がある。うちの猫たちは体が大きめなので、トイレもかなりの大きさのものを使っており、洗うのも一苦労。 昨晩のうちから大雑把に汚れを落としておいて、風呂…

20240721 夏の始まりと予定通りに進まない作業

玄関を出た瞬間に汗が吹き出す。やはり梅雨明けの前と後では暑さの質が違うとパートナーと話しながらスーパーに行く。帰ってくると大して歩いてもいないのにTシャツは汗臭くなっていた。すぐに脱いで、軽く汗を流してからあらかじめ準備していたお風呂にどぼ…

ピルで怒りの感情への関わり方が変わってきた

ピルを飲み始めてから、長年の悩みだった怒りの感情への関わり方が変わってきたことを感じている。面白い経験だったので記録しておく。 「苛烈」という言葉と共にあり続けた人生 高校生の頃、友人に「苛烈」と言われた。文脈は忘れてしまったけど、少なくと…

20240506 ゴールデンウィークが終わる

今年のゴールデンウィークは途中少しの平日を挟む形だった。ゴールデンウィークにはいる前に少し仕事が落ち着いたせいか、思ったよりも色々なことができた。 掃除・片付けの類は、ずっと気になってた机の上とクローゼットを完了させて、増殖する一方だった推…

20240414 もしやストレス

楽しい筈の休日なのに二日連続で頭が痛い。首も痛い。マッサージやら整骨院やらにも頼っているけれど、半日もすればまた戻ってしまう。少しの坂や階段で息切れするし、毎日なんとなく便が緩い。急に体が暑くなったり逆に冷えたりもする。うーん、これは、ス…

20230103 ダラダラと猫構いで終わるお正月

「おめでとう」と言うのも憚られるようなことが国内でも国外でも起こっている年明け。今年もよろしくお願いします。 私はといえば、本当にだらけたお正月を過ごした。今年の目標ややりたいことを考えて手帳に書きつけて以降は、猫と遊んだり横になったりする…