まゆびらき日記

虚実ないまぜの日記と小説。

2023年は喪失と達成の年

いつもいつも、今年こそは落ち着きたいと思って一年を始める。なのに、静かに過ごせた一年だったなと思って終わる年があったことはない。今年も例に漏れず、いろんなことがあった一年だった。

 

思いがけない大きな出来事

仕事の面では、昨年末に転職を決めて、新たな環境で頑張っていたのだけれど、自分の手が及ばないところで起こる様々な出来事があって、最初に希望していた職種での仕事を続けることができなくなった。人にこの話をすると激動でしたねと必ず言われるので、普通に会社員をしていたらなかなか起こらないことなのだと思う。そして、関わり方は違えど元々いた領域に戻ってきてしまった。全く新しいキャリアを開拓していきたい気持ちが強かったので残念だけど、どういうわけか引き戻されてしまうというのは、きっと縁があるということなのだと思う。この分野に戻ることが決まってから、すいすいと本を読めることにも驚いた。土地勘がある分野だと、やっぱり専門性を高めるのにはいいんだろう。頑張っていきたい。

家庭では、昨年夏に出会った老猫氏が亡くなった。もう少しで我が家に来て一年になるところだったのに。たくさんの病気を抱えていた子だから仕方ないとはいえ、喪失感がまだ埋められずにいる。時々、生きていた時の写真や動画を見ては、会いたいね、早く生まれ変わってうちに戻ってきてくれないかな、とパートナーと二人で話す。あの子との、たった一年だけどとても濃かった日々を忘れたくないから、専用のブログを作りたくて、場所だけはすでに確保している。ああ、でも本当に、寂しい。今でも。もっと一緒にいたかったな。

 

達成率が高かった年初めの目標

そんな激動の日々の中でも、できたことは多かった。いつも、1月1日に、真新しい手帳に今年の目標を書くのだけれど、5つの項目のうち3つは達成できて、1つはほとんど達成、体力をつけるために筋トレをするという目標だけは達成できなかった。結構頑張ったんだなと思う。自分の中では、苦手意識のあった英語が、目標のTOEIC点数を超えられたのが嬉しかった。シャドーイングとか、音読とか、今までやったことのなかった手段でめきめき力がついていくのがわかったのも面白かった。私は書いて覚えるタイプだと思っていたけれど、口に出すことで覚えるのも意外と合っているんだという気づきがあったのが面白かった。

創作に関する目標も達成できた。3年くらいずっとしつこく改稿していた作品を賞に出すことができたのだ。結果がどうあれ、今まではできなかったいくつかのことができた作品なので、純粋に作り終えられたことが自信になった。本当にちっとも才能がなくて、地道にコツコツ積み重ねて一つずつできることを増やしていっているだけの人間なのだけれど、書きたいことがあるっていうことは幸せだと思う。あんまり上手じゃないからこそ、飽きずに長く続けられている。副業やその他諸々の活動を思い切って完全にやめたことで、私の中の「書く」リソースを小説に全振りできたのもよかったと思う。来年も、もっと自由自在に書きたいと思うものを表現できるようになりたい。

 

発見したコーピング

私は自分を追い詰めがちなところのある性格で、こういう大きな出来事ややらねばならないことがある時は、気分の波が激しくなる。昨年まで認知行動療法ベースのカウンセリングを受けていたのでその枠組みを活用して気持ちを安定させられたのはよかったと思う。完璧ではなかったし、年の後半は結構忘れてしまっていたけれど、前半の手帳やノートを見ていると、トレーニングをしていたおかげで以前より早く落ち込みや怒りの感情から脱することができるようになったように感じた。

そして、意外だったのが「シール張り」の効果。最近「ノートや手帳にかわいいシールを貼りまくる」をやると、なんだか心と頭がすっきりするのだ。

人からも言われるし本を読んでも必ず書いてある「コーピング」なるものが私にはずっといまいちピンと来ていなかった。コーピングとは、自分なりのストレスへの対処法を指す。種類も数も、いろんなものがあるといいと言われていて、先に書いた認知行動療法ベースのカウンセリングや、その枠組みを活用して認知をちょっとずらしてみられるように手帳にいろいろ書き出すのもそう。「寝る」とか「お風呂にゆっくり入る」とか、「好きなアイドルのDVDを見る」とかもそう。そう、なんだけど、「寝る」とか「お風呂にゆっくり入る」とかは、やってみてもそんなにすっきりしなくて、どうしても考え続けてしまう。手帳やノートに感情を書きつけるのは、頭がぐるぐるしている時には始めるのが物凄くしんどい。整理しきれなくて疲れ切ってしまうときもある。

それが、「シール貼り」だと、取り掛かりの第一歩がとても軽い。私の中にいる幼女の心が、かわいいシール、貼りたいんだと思う。ただただ、かわいいシールが貼りたい。

以前はシール貼りに妙なハードルがあって、綺麗に配置しなきゃとか、失敗したら勿体無いとかいろんなこと考えてしまっていたんだけれど、昨年は手帳を買いすぎてデコって失敗してもいい手帳があったのがよかったんだと思う。それで、シールを貼り出すと、もうかわいいシールをかわいく貼ることしか考えられなくなるから、負の感情全てから距離が置ける。シールを貼ってできあがったかわいいノートを見ると、それだけでなんだか達成感があって、何かを成し遂げた気持ちになる。私の落ち込みパターンとして、目標やタスクと何もできていない自分の差を見つめて落ち込むというのがとても多いのだけど、「シールを貼れた」という小さな成功が、何もできていないと思っていた私の心をちょっとだけ救う。

そんなわけで、「シールを貼る」という最高のコーピングを手に入れた私は、ロフトの年末セールでたくさんシールとマスキングテープを買った。来年は疲れたら、とりあえずかわいいシールをいっぱい貼る。

 

喪失と達成の年

そんなわけで、とても大きな喪失感を抱えながらも、できたことも多かった一年になった。星占いを見てみたら、来年は双子座にとってキャリアの一大転機になるような年なのだという。どんな転機がやってくるのかわからないけれど、ちょっとだけ楽しみ。前向きな気持ちで一年を終えられてよかった。明日は例年通り、2024年に成し遂げたいことをゆっくり考えようと思う。