まゆびらき日記

虚実ないまぜの日記と小説。

チーズケーキとホラー小説

今日は少しは本を読む時間が取れた。怖いぞと聞いていた本で、最初の2ページで確かに怖くなってしまい、ちょっと夜は読めない、と思っていた本。でも、読み進めていったら不気味ではあったし仄暗い怖さは感じたけれど思ったほどではなかった。おどかすような台詞が最初の方に入っているせいで怖さの最大値が早い段階できてしまうから、その閾値以上の怖さはなかなか出てこないということなんじゃないかと思った。このくらいなら夜でもきっと読める。よかった。

ほっとしたらなんだか甘いものが食べたくなり、チーズケーキに生クリームがしこたま乗っているものを買ってきた。生クリームも、その下のチーズケーキも、柔らかくて軽く、すぐ舌で溶けた。美味しかった。コンビニスイーツ、それほど食べないのだけれどこのチーズケーキはリピートしてしまったくらいのものなので、多分とても美味しい。話題にもなっているらしく、よくWEB記事で見かける。

https://www.fashion-press.net/news/62180

とはいえ読めているのは、表題作と2作目だけ。ホラーの短編集は急にものすごく怖いものが挟まれたりするので油断はできない。調子に乗りすぎず、慎重に読み進めたい。

ホラーといえば最近とあるTwitterをやっている方のツイートが全部怖いということでまとめサイトにまとめられたものが回ってきた。確かにこわい。とてもこわい。なぜかその方のアカウントに飛ぶと記事が全て消えているらしく何も表示されないところもこわい。

気になったのは、その方のまとめ記事をツイートしている方へのリプライ。簡単に言うと筋道が通らず意味がわからないので面白くなかったというコメントがついていた。心霊現象って基本的にそういうものなんじゃないか。

例えば仮に幽霊が出てくるに到る因縁や、出てくる時に引き起こす現象の理由がわかっていたとする。近所の人に恨まれて井戸に毒を入れられて死んだ一家が化けて出てくる。泡を吹きながら死んだときの姿のまま苦しい苦しいとにじり寄ってくる。毒を入れた犯人がその姿を見て必死に謝罪すると成仏して消えた。みたいな。(なんて陳腐な例なんだ。)

それ、つまらなくない?と思う。理屈がわかっていたとしても、作家はそれを巧みにぼかし、体験した人の視点でものを書く。理由も現象も意味がわからないし、どうやったら消えるかわからないから、想像力が勝手に働いてしまう。ずっと考えてしまって怖くなる。もしくは、理屈は基本わからないのだけれど、探偵的な視点で「きっとこうなんじゃないか」というのを解き明かしていく。そういうのが、楽しいんじゃないか。

きちんと白黒つく世界でものを見ている人には、そういうものが面白いと思えないのかもしれない。勧善懲悪ものもそりゃあ面白いし、ラブストーリーでは最後くっついてほしいと私も思うけど。ホラーってそういうのとは違う面白さがあると思う。私は怖がりなので、何かしらのわからなさ、気味悪さは残りつつも、最終的にはある程度解決するもののほうが好きではある。でも、解決する前の「こわいこわい」「何これ意味わからん気持ち悪い」「どういうことなの……」と思っている時間が、なぜかクセになるんだよなあ。