一人、同僚が去っていった。好きな同僚だった。でも案外、悲しいとか寂しいといった感情がわかない。つながっている安心感があるからかもしれないし、苦楽をともにはしたけれどその時間が短かったせいかもしれない。
そんなことを思いながら、労働生産性について経済学者と若手経営者が語り合う動画を流し聞いている。日本はあらゆる場面で生産性が低いという話を二人がかわるがわる熱弁している。ほんとうに、うんざりするくらい、その通りだと思う。そんな国で、おそらく最先端の働き方をしている。それでも、最先端の働き方をする代償にお給料は安い。辞めていった彼女のネックはその「お給料」だった。なぜ「最先端の働き方」と「お給料」が両立しないのか、理解できない。なぜ女性が腕一本で家族を養っていくのがこんなに難しいのかも。会社の問題ももちろん全くないわけではない。それよりもずっと、社会構造の問題が大きい。
構造を、もっと理解していきたい。それを変える術も知りたい。声をあげ続けたい。そう思いはするけれど、そこにいつも100%をかけられるタイプの人間でもない。煩悩が多すぎる。でも、この辺りのテーマは久しぶりに私の中で大きなものになりつつあるので、タイミングを見ながら学んで、自分なりのこたえをみつけていけたらいいと思っている。
あのひとには、職場は離れることになってしまったけれど、めいっぱい幸せになってほしい。